猫背を改善する為に必要なこと~4つのタイプに分けて解説~
「いつも姿勢が悪いね!」と指摘されたことはありますか?
姿勢が悪くなると、肩こりや腰痛の原因となる可能性があります。また、印象も損なわれ、「いつも疲れているように見える」「元気がなさそう」といった印象を与えることもあります。
多くの人が昔から猫背に悩んでいるかもしれませんが、そのまま放置してしまう傾向があります。猫背の影響で背中が痛む、体調が悪くなるといった症状は、肩こりや腰痛ほどには気づきにくいことがあります。
しかし、猫背は放置すると深刻な症状を引き起こす可能性があります。肩こりや腰痛、頭痛、肩の可動域の制限など、これらの症状は猫背が原因であることがあります。
自分が経験している不調が、実は猫背が原因かもしれません。そのような悩みを解消するために、猫背について詳しく説明します。
猫背について
先ほども触れましたが、なぜ猫背が不快な症状の原因になるのでしょうか?
その理由は以下の5つが考えられます
- 頭が前に出ることによる首と肩への負担増大
正しい姿勢では頭の重みはほとんど負担になりませんが、猫背になると頭が前に出てしまい、首や肩に負担がかかります。 - 背中の丸まりによる胸郭の狭まりと浅い呼吸
背中が丸まると胸郭が狭くなり、呼吸が浅くなります。これにより体が酸素不足に陥り、冷えや集中力低下、慢性的な疲労感などが現れます。 - 骨盤の歪みによる腰への負担増大
猫背になると骨盤が歪み、腰に負担が増加します。骨盤が前傾または後傾する場合、腰への負担は増します。 - 筋肉の凝りによる血液やリンパの循環悪化
猫背になると筋肉が凝り固まり、血液やリンパの流れが悪くなります。これにより老廃物が溜まり、むくみが生じやすくなります。 - 自律神経のバランス乱れ
背骨は自律神経の通り道であり、猫背になると背骨がゆがみ、自律神経のバランスが乱れる可能性があります。
これらの理由からも分かるように、猫背は体に様々な影響を与えます。
猫背が改善されない理由
猫背から生じる不快な症状を感じている方は、改善を望むのではないでしょうか?
しかし、「猫背の改善方法を試してみたけれど効果があまり感じられない……。どうせ改善しないだろう……」と感じているかもしれません。
その理由は、改善方法があなたの猫背のタイプに適合していない可能性があるからです。
猫背には4つのタイプがあります。それぞれが異なる問題点を抱えており、それに応じた改善方法が必要です。あなたの猫背が改善されない理由の1つは、この点が原因かもしれません。
あなた自身の猫背のタイプを知ることで、より効果的な改善方法を見つけることができます。まずは、異なる猫背のタイプについて説明し、自分のタイプを確認する方法について紹介していきます。
4タイプの猫背
猫背には4つのタイプがあります。それぞれのタイプの原因や特徴を紹介していきます。
① お腹を突き出して立つ「お腹猫背」タイプ
特徴
- 女性によく見られる姿勢で、腰が反り、お腹を前に突き出すように立っています。
- 立っているときには猫背に見えないかもしれませんが、腰痛や肩こりが起こりやすい特徴があります。
原因
- 胸を張り過ぎたり、ハイヒールの使用が原因とされています。
- 腰のカーブが強くなり、骨盤が前傾していることが特徴です。
症状
- 腰や首にかかる負担が大きいため、腰痛や首・肩こりなど全身に不調を感じることがあります。
- 体型的にも、ぽっこりお腹が目立つことがあります。
改善ポイント
- 骨盤の前傾を改善し、腰の反りを緩める必要があります。
- 太ももの筋肉や腸腰筋の緊張をほぐし、お腹とお尻の筋肉を鍛えることが重要です。
② 腰が丸まっている「腰猫背」
特徴:
- 腰の前カーブがなく、後ろに丸まっている姿勢です。
- 椎間板に負担をかけ、腰痛や椎間板ヘルニアを引き起こす可能性があります。
原因:
- 中腰での作業や、座っているときの姿勢が主な原因です。
姿勢の解説:
- 理想の姿勢は、首から腰にかけてゆるいS字のカーブを描いています。
- 腰の部分は緩く前カーブをしている必要がありますが、腰のカーブがなくなったり、後ろに丸まっていることがあります。この状態では、骨盤が後傾してお尻が垂れ下がります。
症状:
- 腰の前カーブがなくなるため、腰の椎間板や筋肉、お尻の筋肉に負担が増えます。
- 慢性的な腰痛やぎっくり腰、腰椎椎間板ヘルニアなどの腰の症状が起こりやすくなります。
- 坐骨神経痛や股関節周りの痛みも起こりやすいです。
改善ポイント:
- 腰猫背の改善には、骨盤の位置を正常化することが重要です。後ろに倒れてしまっている骨盤を立てることで腰の前カーブが改善されます。
③ 背中が丸まっている「背中猫背」
特徴:
- 背中が丸くなり、肩が内側に巻き込まれた姿勢です。
- 肩こりや首こりが起こりやすく、胃を圧迫して食欲不振や逆流性胃腸炎を引き起こすこともあります。
原因:
- 長時間のデスクワークや、腹筋や背筋の弱さが主な原因です。
姿勢の解説:
- 理想の姿勢は、首から腰にかけてゆるいS字のカーブを描いています。
- 背中が丸まってしまい、肩が内側に巻き込まれている状態です。この姿勢は、肩こりや首こりを引き起こしやすくなります。
症状:
- 背中が丸まっているため、肩こりや首こりが起こりやすくなります。
- 胃を圧迫して食欲不振や逆流性胃腸炎などの消化器系の問題も引き起こす可能性があります。
改善ポイント:
- 腹筋や背筋の強化を通じて姿勢を改善しましょう。また、定期的なストレッチや姿勢の矯正を行うことで背中猫背を改善することができます。さらに、デスクワーク中に姿勢を正しい位置に戻すための意識的な取り組みも大切です。
④ 首の後ろが丸まっている「首猫背」
特徴:
- 背中ではなく首が前に折れ曲がっている姿勢です。
- 首や肩に負担がかかり、頭痛やめまい、腕や手の痺れなどが起こりやすくなります。
原因:
- スマートフォンの使用時間が長い人や、寝るときの姿勢が主な原因です。
姿勢の解説:
- 理想の姿勢は、首から腰にかけてゆるいS字カーブを描いていて、首はゆるい前カーブになっています。
- 首猫背の場合には、首の前カーブが少なくなり、頭が前方に偏移してしまいます。これは「ストレートネック」とも呼ばれます。
症状:
- 首や肩の筋肉や関節にかかる負担が大きいため、慢性的な首・肩こり、手の痺れ、腕のだるさなどが感じられます。
- 首の動きが悪くなり、後ろを振り向くのがつらい場合もあります。また、首の歪みや凝りは自律神経にも影響を与え、頭痛やめまい、自律神経失調症なども引き起こす可能性があります。
改善ポイント:
- 首のカーブを正常な状態に近づけることが重要です。首猫背では、首の前側の筋肉や胸の筋肉が硬くなっていることが多いです。胸鎖乳突筋、大胸筋、小胸筋などの筋肉を緩めるストレッチやマッサージが効果的です。
- 長時間のスマホやパソコンの使用は避け、姿勢に気をつけながら適度な休憩を取りましょう。
まとめ
猫背の影響は大きいですね。肩こり、腰痛、頭痛、自律神経の乱れなど、体調不良の原因になることがあります。
猫背を改善するためには、まず自分がどのタイプの猫背かを理解することが重要です。その上で、適切な改善方法を取り入れることで効果を感じやすくなります。
当院では猫背の改善に力を入れており、健康だけでなく美しい姿勢を目指す方にもサポートしています。改善が難しい場合は、いつでもご相談ください。
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